2023年10月から始まったインボイス制度。
仕入税額控除を受けるためには「適格請求書発行事業者」から発行されたインボイスの保存が必要ですが、古物商のように一般の個人から中古品を仕入れる事業者にとっては、このルールがそのままでは当てはまりません。
そこで設けられたのが「古物商特例(古物営業に関する仕入れに係る特例)」です。
本記事では、この特例の内容や要件、注意点をわかりやすく解説します。

【完全解説】インボイス制度における古物商特例とは?

更新日:2025/11/24

古物商とインボイス制度の関係性

2023年10月に開始されたインボイス制度は、消費税の仕入税額控除の要件として、「インボイス(適格請求書)」の保存を求める制度です。
これにより、課税事業者が仕入れや経費にかかる消費税を差し引くためには、インボイス発行事業者からの請求書が必要になりました。


インボイス制度は、基本的に事業者間の取引を前提とした制度です。
しかし、古物商などの業種では、非事業者(一般の個人など)との取引が非常に多く、そもそもインボイスの発行ができない相手から仕入れるケースが大半です。
そのため、仕入税額控除の対象とならず、古物商にとって税負担が重くなるという問題が生じます。
こうした制度とのギャップを是正し、業務の実態に即した対応ができるようにするために、「古物商特例」が設けられているのです。



古物商特例とは?

仕入先がインボイスを発行していない場合、古物商などの事業者は消費税の仕入税額控除ができず、その分税負担が大きくなってしまいます。
特に、個人やインボイス未登録の事業者との取引が中心となる古物商や質屋にとっては、非常に大きな負担となります。
こうした実情を踏まえ、個人やインボイス非登録事業者から中古品を買い取った場合でも、一定の要件を満たせばインボイスがなくても仕入税額控除を認める制度が設けられました。
それが「古物商特例・質屋特例」です。


※令和6年4月1日以後、輸出物品販売場(いわゆる免税店)で消費税が免除された物品(免税購入品)であることを知りながら行った課税仕入れについては、古物商等特例の適
用の有無にかかわらず、仕入税額控除制度の適用を受けることができません。
なお、相手方が適格請求書発行事業者である場合は、適格請求書の交付を受け、それを保存する必要があります。


古物商特例・質屋特例における一定の条件とは

特例を受ける際には、以下の要件すべてを満たす必要があります。


①  古物商又は質屋であること
②  適格請求書発行事業者でない者から仕入れた古物・質物であること
③  仕入れた古物・質物が、当該古物商・質屋にとって棚卸資産(消耗品を除く)であること
④  一定の事項が記載された帳簿を保存すること


上記の要件をわかりやすく解説します。


① 古物商又は質屋であること

古物商特例の対象となるのは、「古物営業法」に基づき古物商許可を受けた者です。古物商を営むには、都道府県公安委員会の許可を取得する必要があります。


② 適格請求書発行事業者でない者から仕入れた古物・質物であること

古物商特例は、インボイス(適格請求書)の交付を受けられない仕入れについて、一定の条件を満たせば仕入税額控除を認める制度です。
通常、仕入税額控除を行うには、以下の2つを保存する必要があります。
・適格請求書(インボイス)
・帳簿
しかし、売手が免税事業者や一般消費者などインボイス発行事業者でない場合には、帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる特例が設けられています。
この場合、買い取りの際に記入頂く書類等にチェック欄を設けるなど、仕入れ相手がインボイス発行事業者でないことが客観的に確認できることが必要です。
なお、相手がインボイス発行事業者である場合は、通常通りインボイスを交付してもらい、それを帳簿とあわせて保存することで控除を受けることができます。


③ 仕入れた古物・質物が、当該古物商・質屋にとって棚卸資産(消耗品を除く)であること

この特例の対象となるのは、販売目的で取得した中古品などの棚卸資産です。つまり、「在庫」として取り扱う物品が該当します。
一方、自社使用のために購入した資産(事務用備品など)や消耗品には特例は適用されませんので注意が必要です。
また、「古物営業法に定義される古物」に該当しないものであっても、「古物に準ずるもの」として取り扱われる場合があります。
このような物品でも、古物営業と同様の方法(古物台帳への記録など)で取引される場合には、古物商特例の対象に含まれます。


④ 一定の事項が記載された帳簿を保存すること

特例を受けるためには、通常の帳簿記載に加え以下のような特例対応の追加記載が必要になります。


なお、両者には重複する記載事項青字の項目)があります。
そのため、古物台帳に「支払対価の額」を追加記載し、「古物商特例の対象となる旨」を記載した消費税法上の帳簿(たとえば総勘定元帳)を合わせて保存する事で、
帳簿保存の要件を満たすことができます。
この場合、古物台帳についても確定申告期限から7年間の保存が必要となります。
なお、「個人情報」に関しては、古物営業法の規定により、古物営業法上の帳簿への記載が免除される場合(一定額未満の取引など)は、消費税法の帳簿(総勘定元帳など)への記載も不要となります。



まとめ

古物商特例は、中古品を扱う事業者にとって、非常にありがたい制度です。
インボイスが取得できない取引でも、一定の条件を満たすことで仕入税額控除が可能となるため、税負担の軽減につながります。
しかしその一方で、帳簿の作成や保存といった実務上の対応が必要になるため、負担が増えるのも事実です。
また、メルカリやヤフオクといったフリマアプリやネットオークションなどで仕入れる場合、取引相手の個人情報の取得が困難であったり、インボイス発行事業者かどうかを確認できないケースも多くあります。
このような取引では、帳簿要件を満たすことが難しく、古物商特例の適用が制限される可能性があるため注意が必要です。
制度の趣旨をしっかりと理解し、日々の仕入れ記録を丁寧に管理・保存することが、特例を適切に活用するための鍵となります。
なお、当記事は一般的な情報提供としての解説であり、個別の税額計算や申告方法に関するアドバイスではありません。
具体的な判断や申告については、必ず税理士にご相談ください。


 

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