更新日:2025/12/08
古物商が本人確認や帳簿記載などの法定義務を適切に履行していたとしても、結果として盗品を買い取ってしまうことがあります。
では、盗品であると判明して無償で返還した場合、その買受代金等の損失はすべて古物商が負担するのでしょうか。
本稿では、盗品返還後に活用できる埼玉県の救済制度について解説します。
古物商様々な義務が課されますが、その中でも特に重要な義務が
① 取引相手の審議の確認義務
② 取引記録の保存義務
③ 不正品発見時の警察への通報義務
です。
これらの義務に違反した場合、罰金や拘禁刑などの刑事罰が科される可能性があり、遵守が不可欠です。
盗品を買い取ってしまった疑いがある場合には、③の「不正品発見時の警察への申告義務」が発生します。
この申告後、被害者等から民法上の返還請求を受けることがあります。
第百九十三条 前条の場合(即時取得)において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。
民法193条では、盗難または遺失から2年以内であれば、被害者は現に占有している者に返還を請求できるとされています。
(盗品及び遺失物の回復)
第二十条 古物商が買い受け、又は交換した古物(指図証券、記名式所持人払証券(民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百二十条の十三に規定する記名式所持人払証券をいう。)及び無記名証券であるものを除く。)のうちに盗品又は遺失物があつた場合においては、その古物商が当該盗品又は遺失物を公の市場において又は同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合においても、被害者又は遺失主は、古物商に対し、これを無償で回復することを求めることができる。ただし、盗難又は遺失の時から一年を経過した後においては、この限りでない。
さらに古物商の場合は、古物営業法第20条により、
盗難または遺失の時から1年以内であれば無償で返還しなければならないと定められています。
これは、古物商が専門業者として取引の安全に責任を負う立場にあり、被害者の保護を優先する観点から設けられた制度です。
無償で返還すると古物商が経済的損失を被りますが、一定の条件を満たした場合、埼玉県では「報償金」を受け取れる制度が設けられています。
全額補填とはいかない場合もありますが、損失軽減に資する重要な制度です。
【制度趣旨】
質屋、古物商等の協力による盗品等の早期発見と被害者保護を推進し、捜査に協力して損失を受けた質屋、古物商等の経済的損失を救済し、民間協力体制の確立と盗品等捜査の伸長を図ること。
【要件】
① 自らの意思により、捜査活動に積極的な協力をしたこと。
② 提出した盗品等が、民法上の返還請求権を有する者に返還され、経済的損失を受けたこと。
【報償】
報償は、被報償者の協力状況等に応じ、協力によって受けた損失額の50パーセント以上100パーセント以内とする。
【注意点】
報償に関する判断の重点は、協力が積極的であること、協力が犯人の検挙若しくは特定に 貢献していることにあるので、警察官の立入調査又は取調等の捜査活動によって被害品が発見された場合は、原則として、この要綱は適用されません。
申請の実務については警察署・警察本部の判断によるため、「必ず報償される」保証はありません。
古物商には取引の安全を確保するため、厳格な義務と重い罰則が定められています。
盗品を誤って買い取った場合でも、無償返還義務を免れることはできません。
しかし、埼玉県には捜査に積極的に協力した古物商の損失を一定程度軽減する報償制度があります。
制度の存在を知っていることで、通報に対する心理的負担を軽減できるでしょう。
なお、本制度は埼玉県独自の要綱ですが、他の都道府県でも類似の制度が設けられているケースがあります。
事業エリアごとに確認することをお勧めします。
参考 ☞質屋、古物商等に対する報償要綱
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