特定の取引において、契約を解除することのできる制度としてクーリングオフ制度があります。
本記事では、古物取引においてクーリングオフ制度の対象となりえるのかについて解説いたします。

古物取引におけるクーリングオフ制度

更新日:2025/11/22

クーリングオフ制度』聞いたことはあるけど制度の詳細まではわからない。
そんな方も多いのではないでしょうか。そこで今回は古物商とクーリングオフ制度の関係性を解説します。



クーリングオフ制度とは

消費者が特定の取引において、契約後一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。
これは、消費者が冷静な判断を下せないような状況で契約をしてしまった場合の救済措置として設けられています。
余談ですが、クーリングオフのスペルは「Cooling-off」なことからも、「頭を冷やす」という意味が含まれていることが理解できます。



クーリングオフが適用される『特定の取引』及びその『期間』

取引方法 期間
1.訪問販売 8日
2.電話勧誘販売 8日
3.連鎖販売取引(マルチ商法) 20日
4.業務提供誘引販売取引(モニター商法など) 20日
5.特定継続的役務提供(エステ・結婚相手紹介サービスなど) 8日
6.訪問購入 8日
7.生命・損害保険契約 8日
8.その他の クーリング・オフ制度 のある契約 8日


上記のような取引は「特定商取引」として法的に定められており、これらに該当する場合には、消費者は書面を受け取った日を含めて8日以内(特定の取引では期間が延びることがあります)であれば、契約を無条件で解除することができます。
クーリングオフ制度が古物商の取引に適用されるかどうかは、取引の販売方法によって異なります。
例えば、古物商が行う店頭での対面販売(店舗販売)は、性質上「特定商取引」には該当せず、原則としてクーリングオフの対象外となります。
しかし一方で、古物商が訪問販売訪問購入など、特定商取引法に規定された販売形態で取引を行った場合には、クーリングオフの適用対象となります。
たとえば、古物商が自宅を訪れて中古品を販売したり、消費者の持ち物を買い取ったりする行為がこれに該当します。
このような場合、消費者は契約を解除する権利を持ちます。


また、古物商がこれらの特定取引を行う場合には、特定商取引法および古物営業法に基づいて、書面交付・契約内容の明示・適切な説明などの義務を負います。
これらの義務を怠った場合には、業務停止命令罰金などの行政処分や刑事罰が科されることがありますので、古物商にとっても慎重な対応が求められます。



クーリングオフ制度が利用できない取引

クーリングオフができない取引も存在します。以下の通りです。


① 自分の意思で店舗に出向いての契約「特定継続的役務提供」、「連鎖販売取引」、「業務提供誘引販売取引」を除く
② 通信販売
③ 営業を目的とした契約、営業としての契約「連鎖販売取引」、「業務提供誘引販売取引」を除く
④ 「当該契約の目的物が使用又は消費されることにより、その性質上再販売が困難となる消耗品であって、契約書面にその旨が明確に記載されている場合
⑤ 適用除外の商品・サービス(自動車、葬儀サービス等)
⑥ 3,000円に満たない現金取引


上記取引はクーリングオフ制度が適用されません。



まとめ

古物商がネットオークションやECサイトで中古品を販売する場合、クーリングオフの対象外となります。
返品やキャンセルに関しては各店舗のルールに従うことになります。
重要なのは、クーリングオフ制度が「すべての取引」に適用されるわけではなく、「特定の販売形態」に限って適用される点です。


古物商の取引においても、販売方法が特定商取引法に該当すれば制度の対象となりますが、それ以外の一般的な販売形態では適用外となるため、消費者と事業者の双方がその違いを理解しておくことが重要です。
古物商とクーリングオフ制度の関係性は販売方法により適用可否が分かれます。
消費者は購入時に販売手法を確認し、契約内容やキャンセルの可否についてしっかり理解しておく必要があります。
一方、古物商側も、販売形態に応じた法的義務を適切に履行することが求められるため注意が必要です。



 

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