古物商許可申請の申請書には『主として取り扱おうとする古物の区分』という選択欄があります。今回はその中の一つ【事務機器類】について解説いたします。

【品目】事務機器類とは?

更新日:2025/11/23

事務機器類とは

「古物」の区分における「事務機器類」は、古物営業法施行規則で定められている13品目のうちの1つです。
これは、主にオフィスや事務所で使用される機械器具を指し、機械であるか否かは問いません。
事務機器商として営業するには、事務機器類の区分を選択して公安委員会の許可申請を行う必要があります。
そのため、各区分の定義や具体的な対象物を正確に理解しておくことが重要です。
特に「事務機器類」は「機械工具類」と混同されがちなため、品目の確認と区分判断の正しい理解が必要です。


事務機器類の具体例

では一体どのようなものが事務機器類に含まれるのでしょうか。例えば、


・レジスター
・タイプライター
・計算機
・謄写機
・コピー機
・ワードプロセッサー
・ファクシミリ装置
・事務用電子計算機等


などが挙げられます。


注意が必要な点として、ファクシミリ装置やタブレット端末は事務機器類」に分類される一方で、電話機やスマートフォンは機械工具類」に該当します。同じ通信機器や情報端末であっても、使用目的や設置場所の想定により区分が異なるため、古物商の取扱品目を申請する際には特に留意する必要があります。
また、デスクやキャビネットといった家具類も、事務で使用されることが多いものの「道具類」に分類されるため、事務機器類と混同しないよう注意が必要です。


事務機器商の良い点

事務機器商として営業することの良い点は、パソコンや複合機、シュレッダーなどの事務機器が企業や事業者の業務に不可欠であるため、中古品にも安定した需要があることです。
さらに、整備済みや初期設定済みといった付加価値をつけて販売することで、他の業者との差別化を図ることができます。
事務機器は新品購入時の単価が比較的高いため、中古の事務機器に対する需要は高い傾向にあります。
私の事務所でも、事務機器商から購入したファクシミリ装置がいまだに現役で稼働しており、丁寧なメンテナンスのおかげだと感じています。


事務機器商に役立つ資格・スキル

事務機器商をする上で直接必須ではないものの、持っていると役立つ資格やスキルはいくつかあります。
以下に代表的なものを挙げます。


・ITパスポート/基本情報技術者試験
パソコンや複合機などIT機器の基礎知識が身につき、商品説明やトラブル対応に役立ちます。


・電気工事士(第2種)
複合機やファクシミリなどの簡単な電気配線や修理の知識があればメンテナンスの幅が広がります。
事務機器の修理技術は必須ではありませんが、知識があると信頼感アップにつながります。


事務機器商の難しい点

様々な良い点を説明しましたが、難しい点もあります。以下の通りです。


・商品サイクルが早い
技術の進歩が早く、新型機種が次々と登場するため、中古品の価値が下がるリスクがあります。


・初期投資やメンテナンスコストがかかる
クリーニングや整備、初期設定を行うには一定のコストと技術が必要です。


・専門知識が必要
事務機器の種類や性能、適切な使用環境についての知識が求められます。


・在庫管理が難しい
適切な在庫管理や保管スペースの確保が課題となります。


特に保管スペースは広範囲にわたることが多く、倉庫費用などのコストも考慮する必要があります。


まとめ

事務機器はどんな企業にも必要な存在であり、安定した需要があります。
変化の速い業界だからこそ、柔軟に学び続ける姿勢が成功への近道かもしれません。


 

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